おいしいチェリーのいただきかた☆
  
え? なんで? あたし、いつのまに小宮の首に腕を回してんの?
 
ここまでするつもりなかったのに。
 
 
言葉を失った小宮の顔。びっくりして目が丸くなってる。
 
 
数秒間の沈黙が流れた。
 
 
それから混乱一色だったその顔は、徐々に、赤色に染まっていき。
 
 
「ひ、ひ、ひ」
 
 
比奈さん、って言いたいんだろう。
 
でもうまく言葉にならない掠れ声をあげ、あたしを凝視する小宮。
 
 
あたしにもなんだかよく分からない。
 
 
ただ小宮の唇が凄く魅惑的に見えて。
 
 
 
熱い。
 
 
 
 
どうしようもなく熱い。
 
 
 
「ん……あつっ……」
 
 
なんだろうこれ。内側から熱が……めちゃくちゃ熱くて……止まらない。
 
 
また勝手に体が動きだした。
 
 
小宮の胸に抱きつく。抱きつきながら横倒しにする。
  
 
「あっ」とあがる叫び声。揺れるテーブル。硬直する体。
 
 
 
 
そうして気付けば、あたしは小宮を床に押し倒していた。
 
 
 
 
 
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