おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「っ! 比奈さん! それ、ジュースじゃないよ! カクテルだよ!」
 
 
「カクテル~? あれ? そんなモンうちにあったっけ?」
 
 
小宮の言葉につられてピーチの缶をじっと見る。
 
何か色々書いてあるけど、何故だか頭に入ってこない。
 
7%って数字だけが辛うじて読み取れた。
 
 
「果汁7%!? すくなっ!」 
 
「アルコール7%だよっ!」
 
 
「そなの?」と呟きながらピーチの缶をテーブルに置いて、今度は小宮のグレープの缶を取ってみる。
 
 
「小宮のは50%もあるじゃん。アルコールなわけないっしょ~」
 
「そっちは果汁だよ! 比奈さんのピーチだけカクテルなんだって!」
 
 
ふーん。まぁどうでもいいや。
美味しかったし。
 
 
「細かいことはいいじゃん」
 
 
笑って言いながら胸のリボンを引き抜いた。
 
制服の赤いリボンは、ただの布切れになってハラリと床に落ちた。
 
 
「なっ! なんで脱ぐの比奈さんっ!?」
 
「ん~? 暑くって」
 
 
小宮はさっきから何をごちゃごちゃ言ってるんだろ。
 
暑いから脱ぐのは当たり前じゃん。
 
胸のボタンを3つ開けて胸元を開いた。
 
 
「比奈さんどいてっ! お願いだから!」
 
 
真っ赤な顔を横に逸らして叫ぶ小宮。
 
あたしを見ないように目をしっかりと瞑って。
 
 
……ちょっとムッときた。
 
 
 
< 126 / 335 >

この作品をシェア

pagetop