おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「ごめんっ! ホントにごめん小宮~。昨日はやり過ぎました! 反省してます!」
 
 
あたしは両手を合わせて、小宮に頭を下げた。
 
すれ違うお散歩中の犬に「フンッ!」と鼻を鳴らされる。
 
ちょっ。犬にまでバカにされてるあたし!?
 
今のプードル、覚えてろよコノヤロウ。
 
 
 
いつもの公園のいつもの散歩道を、始終へこへこモードで歩いた。
 
先行く小宮の背中に許してビームを送る。
 
 
 
「別に、怒ってなんかないから、気にしないで」
 
 
小宮はさっきからそう言ってくれてるけど。
 
 
「じゃあなんで目を合わせてくれないの~。もっと近くに寄ってよ小宮~」
 
 
そう。小宮は今朝から一度も目を合わせてくれないのだ。
 
それが怒ってる態度じゃなかったら何なの?
 
 
あたしは小宮の前に回りこんで、下から顔を覗きこんだ。
 
上目遣いに小首を傾げて謝る。
 
 
「お願い。許して。あたしを見て。ネ?」
 
 
次の瞬間、小宮の顔が真っ赤になった。
 
さっと顔を背けてあたしの視線を頑なに拒む。
 
 
ああっ! ちょっとふざけてるように見えたかな?
 
これでもシンケンに謝ってるんですけどぉ~~!
 
 
 
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