おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「あ、そういえばアレが小宮のファーストキスだったんだよね? ゴメンね? 勝手に奪っちゃって。初めては好きなコとした方が良かった?」
  
「えっ!? あ、あの、それは、なんてゆーか、比奈さんで全然いいわけだし、えっと、とにかくもう気にしないで!」 
 
「そっか、良かった。好きなコとするキスがファーストキスだと思えばいいよ」
 
 
あたしは安心してニッコリ笑ってみせた。
 
 
小宮にはまだ好きなコいないんだ、きっと。
 
それはちょっぴり嬉しいかも。
 
しばらく小宮を独占できるもんね。
 
 
「比奈さんも絶対天然だと思う……」
 
「へ?」
 
「なんでもない……」
 
 
? よく分かんないヤツ。
 
 
でも、とりあえず怒ってないようで良かった。
 
いつものように隣に並んでも、もうススッと逃げださない。
 
 
良かった。嫌われちゃったかと思ってたよ。
 
でも今日ばかりは触るのはやめとこ。
 
 
それから中央広場に着いたあたし達。
 
いつもよりカラフルなカンジに「ん?」と見渡せば、花壇に新たな色が加わってるのに気付いた。
 
 
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