おいしいチェリーのいただきかた☆
  
(この人は、これ全部直すつもりなんだ)
 
 
そう思うと自分もじっとしてられなくなって。慌てて花壇に入り、土を掘り始めた。
 
 
『すみません……。ありがとうございます』
 
 
『いいのいいの。自然災害なんだからしょうがないっしょ』
 
 
(それは違うんだけど……)
 
 
でもそんなことはもう、どうでもよかった。
 
 
二人で土いじりを再開すると、イライラしながら傍に立ってたもう一人の女子生徒も、
 
 
『ハイハイ。三人でやれば更に早いわよね。あたしも手伝いますよー』
 
 
と土を掘り始めて。
 
その日。結局、日が暮れるまで、花壇を三人で直した。
 
 
 
全ての作業を終えた時にはすっかり辺りは暗くなっていて。
 
最後に小宮はもう一度、二人の女子に深く頭を下げた。
 
 
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