おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「あは、あは。あ、そ、そうだ! このポーチュラカの花言葉知ってる?」
 
「ごまかそうとしてるでしょそれ!? 花の名前も知らないのに、花言葉なんか知るかっつぅの!」
 
「まぁまぁ。『いつも元気』って言うんだよ。なんか比奈さんみたいだよね?」
 
「微妙にバカにされてるくさい~~!!」
 
 
 
どうせあたしは元気だけが取柄ですよっ。
 
ぶう、と頬を膨らませて小宮を睨む。
 
 
「ごめんごめん。バカになんかしてないよ。ホントに比奈さんみたいだな、と思って」
 
「へぇ~そうですかっ」
 
「もうひとつの花言葉も……」
 
「なに!? 今度はなに!?」
 
 
ヒステリックに返す。もう完全にむくれたもんねっ。
 
だけど次の瞬間、優しく目を細めた小宮の笑顔に射抜かれて。
 
 
息が、止まった。
 
 
 
  
「『無邪気』――」
 
 
 
 
どくん――
 
 
  
 
  
「だってさ。本当に比奈さんみたいだ」
 
 
 
 
ずるい。
 
そんな優しい顔で言うなんて。
 
 
トキメキそうになったじゃん、今。
 
 
 
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