おいしいチェリーのいただきかた☆
  
しゃがんだ姿勢のままよろめいた足は、後ろに下がっていって。
 
危ないと気付いた瞬間、躓いてバランスを崩してた。
 
あっ、と声をあげる間もなく天を仰ぐ。
 
頭をぶつけるのを覚悟した。
 
 
だけど。 
 
 
「比奈さん!」
 
 
慌てた声と同時に引かれるあたしの手。
 
ぐいっと強く。強く。あたしを引き起こす。
 
次いであたしの背中を支えてくれる、温かいもの。
 
地面への激突を防いでくれる、その温かい手の主は――
 
 
 
 
 
 
小宮。
 
 
  
 
小宮だ。
信じらんない。
 
 
 
 
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