おいしいチェリーのいただきかた☆
そして嵐がやってくる
公園の花壇の前で話した翌朝。
小宮は登校してこなかった。
どうしちゃったんだろ?
バス停前で別れた時は元気そうだったのに。
いきなり風邪でもひいたかな?
そう思いながらぼーっと窓の外を眺めてると。校門から誰かがやってくるのに気が付いた。
あっ。
小宮じゃん!
驚いて席から身を乗り出す。途端、先生に怒られた。
「窓からバックレようとか思ってるのか浜路」
アイタタター。今は授業中でした。
クラスのみんなにも笑われちゃった。
でもその数分後、教室に入って来た小宮の姿に、笑いは静まった。
あたしもビックリして、まじまじと小宮を見つめる。
頬に当てられたガーゼ。赤く腫れた口の端。
小宮には似つかわしくない生々しい傷あと――
静かに、小宮は言った。
「すみません、病院に寄ってきたため遅れました」