おいしいチェリーのいただきかた☆
 
小宮はどうしちゃったんだろう。
 
どうしてあたしを見てくれないんだろう。
 
 
昨日も目を逸らしてたけど、様子が全然違う。恥ずかしがってるとかじゃない。
 
 
「口、大丈夫? 食べるのもツライの?」
 
少し距離を置いて座る小宮に訊くと、
 
「今は……ちょっとツライかな、口動かすの。でもそんなに酷い傷じゃないから……」
 
どこか焦点の合わない目で答える小宮。
 
昨日までの優しい瞳はどこに行っちゃったの?
 
 
「あ、あたしのお弁当でよければ何でもあげるからさ。元気だしなよ、ほら」
 
パカッと開いた弁当箱の中身を小宮に見せて言う。ちょっとムリしてるような声になっちゃった。
 
 
「どれがいい? ウィンナー? 玉子焼き? 冷凍モンがほとんどだけどさ。あたしが作ったんだよ、これ」
 
おかずを一品一品指差して薦める。
 
小宮は驚いた顔であたしを振り向いた。
 
うっ……。冷凍モンはちょっとまずかった? 嫌なニュースもこないだ流れてたし。
 
手作りって言っときゃ良かったかな?
 
 
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