おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「気紛れって……なんでいきなりそんなこと……。あたし、気紛れで小宮につきあってるわけじゃ……」
 
 
言いながら胸がドキドキしてくる。
 
息が苦しくなって、次の言葉が出てこない。
 
 
えっと。えっと。なんて言えばいいの? こういうの。
 
あたしは、何を言おうとしているの?
  
 
熱っぽい小宮の瞳だとか。
 
真摯な表情だとかがあたしを戸惑わせて。
  
 
突然襲ってくる混乱。
ダメだ。頭が真っ白に――
 
 
 
 
 
「比奈」
 
 
その時、どこからかあたしを呼ぶ声が聞こえた。
 
 
ハッと振り返ると、そこにいたのは――
 
 
  
「イツキ」
 
 
 
 
 
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