おいしいチェリーのいただきかた☆
「比奈! お前、俺に逆らうのか!?」
「なんでイツキのいうコトきかなきゃいけないの!? あたしはイツキの人形でも何でもないよ!」
「――っ! やっぱりあのヤロウのせいで……」
ギリっと歯軋りするイツキ。
なんだか怖い。
「比奈。今夜は付き合え」
「だから、今日も店の手伝いで……」
「一晩中じゃねぇだろ? 終わったらバイクで迎えにいく」
妙に迫のあるイツキの声。
じりじりと近寄ってくる瞳は、真っ暗で底が見えない。
どうしよう。なんて返せばいいんだろう。
ぞくりとするものを感じながら一歩さがる。
その時、麻美の声が大きく響いた。
「ここにいたの比奈! ちょっときてーっ!」