おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「比奈! お前、俺に逆らうのか!?」
 
「なんでイツキのいうコトきかなきゃいけないの!? あたしはイツキの人形でも何でもないよ!」
 
「――っ! やっぱりあのヤロウのせいで……」
 
 
ギリっと歯軋りするイツキ。
なんだか怖い。
 
 
「比奈。今夜は付き合え」
 
「だから、今日も店の手伝いで……」
 
「一晩中じゃねぇだろ? 終わったらバイクで迎えにいく」
 
 
妙に迫のあるイツキの声。
 
じりじりと近寄ってくる瞳は、真っ暗で底が見えない。
 
 
どうしよう。なんて返せばいいんだろう。
 
 
ぞくりとするものを感じながら一歩さがる。
 
 
その時、麻美の声が大きく響いた。
 
 
「ここにいたの比奈! ちょっときてーっ!」
 
 
 
< 171 / 335 >

この作品をシェア

pagetop