おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「麻美!?」
 
 
心底ホッとして振り返った。
 
 
「次の化学の実験準備、手伝って、って先生がー!」
 
 
「わかった! 今いくー!」
 
 
さっとイツキから離れ、踵を返す。
 
 
「ごめんイツキ、店の後は疲れちゃって遊ぶ気力ないよ。また今度時間取るから」
 
 
素早く愛想笑いを送って渡り廊下へと足を動かす。
 
なんだかまともに顔が見れなかった。
 
 
背後で「くそっ」と小さく吐き捨てる声が聞こえたけど、無視して麻美の元へ駆け寄る。
 
校舎に入ってから麻美に小声で訊いた。
 
 
「次、化学だったっけ?」
 
「違うよ、現社」
 
 
目をぱちくりさせる。
 
 
 
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