おいしいチェリーのいただきかた☆
二階へ昇る階段の欠けたヘリ。なんとはなしに触ってみた。
イツキ――
どうしちゃったんだろう。
お昼の険しい顔がふと頭をよぎった。
なんであんなにイライラしてたんだろう。きっと理由があるはずなんだ。
確かに、ちょっと怒りっぽいところはあるけど。
あんなに感情を剥き出しにするイツキは珍しい。
基本的にイツキは冷静なヤツなのだ。
シニカルな笑顔。
悪いコトばっかりしてるけど、仲間想いでカリスマがあって。
クラブで初めて会った時から、あたしに優しくしてくれて。
遊びにいっぱい誘ってくれた。あたしの居場所を作ってくれた。
ウチがキャバクラだって知っても嫌な顔せずに、
「俺もキャバクラオーナーになりてー!」
って笑ってくれて。
人肌恋しい夜は一緒に寝てくれた。
大事な友達だから――