おいしいチェリーのいただきかた☆
 
階段を昇りきったところで一息ついた。
 
教室に目を向けると、ちょうど麻美が飛び出してくるのが見えた。
 
なんだか慌ててる風だ。
 
麻美の方もあたしを見つけて大声であたしを呼んだ。
 
 
「比奈ーっ!! 大変だよっ!!」
 
 
そのやたら焦ってる声にびっくりして瞬きする。
 
「どうしたの?」
 
駆け寄ってくる麻美に訊き返すと、額に汗を浮かべながら麻美は言った。
 
「今さっき、小宮がイツキに連れてかれて……体育館裏! やばいカンジだった!!」
 
 
「えっ!?」
 
 
小宮が!? イツキに!? なんで!?
 
 
「小宮の頬の怪我もイツキなんだよ! ナニされるか分かんないよ!? あたし、先生呼んでくるから!」
 
 
「な……ホントそれ!? あ、あたし、止めてくる!!」
 
 
背筋がぞわっとした。
 
 
小宮、そんなコト、一言も言わなかった! なんで!?
 
 
今上がってきた階段を駆け下り、全速力で体育館に向かう。
 
 
もしホントにイツキが小宮を殴ったんだとしたら……。
 
今も小宮を殴ってるんだとしたら。
 
 
小宮が死んじゃう!!
 
 
 
 
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