おいしいチェリーのいただきかた☆
  
あの細い体で、イツキの拳を受けるなんて。ポキッと折れかねない。
 
イツキは趣味でボクシングも齧ってるのだ。
ケンカもかなり強い。
 
 
不安の中、体育館が見えてくる。渡り廊下を飛び出し、建物の横にまわる。
 
 
怒鳴り声のようなものが聞こえてきた。
 
 
「口答えすんじゃねぇメガネッ!!」
 
 
イツキの声だ。
心臓が縮み上がる。
 
 
「……つっただろ! ……とお前じゃ、住む世界が違うんだよっ! アイツに近寄んなっ!!」
 
 
何かを言ってるけど、途切れ途切れでよく分からない。
 
でも近付くにつれ、小宮の弱々しい声も聞こえるようになってきた。
 
 
「ただの友達でも……ダメなんですか……」
 
「ダメに決まってんだろ! 優等生の友達ヅラってヤツほどムカつくモンはねぇ! ハラん中では見下してるくせによっ!」
 
「うぁっ! そ、そんなこと」
 
「目障りだっ! 今すぐアイツの前から消えろっ!」
 
 
「小宮っ! イツキッ!」
 
 
 
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