おいしいチェリーのいただきかた☆
「比奈!? なんでここに!」
「そんなのどうでもいい! 小宮を放して!」
拳を振り上げかけてたイツキに怒鳴る。
近付くと、小宮が弱々しい声であたしの名を呼んだ。
「比奈さん、こないで……」
「なに言ってんの小宮! 保健室行かなきゃ! 一人じゃ行けないでしょ!?」
ズンズン歩み寄って二人の間に割って入る。
本当に酷い傷。
息も絶え絶えに崩れ落ちる小宮。
地面にはフレームの歪んだメガネが転がってる。
痛々しすぎて涙が滲んできた。
「比奈、そんなヤツに構うな」
あたしの肩を掴んでくるイツキをキッと振り返って言った。
「そんなのあたしの勝手でしょ!? なんでこんなコトすんのイツキ! 素人に暴力振うなんて最低だよっ!」