おいしいチェリーのいただきかた☆
   
ちょっとキツめかとは思ったけど。あたしも頭に血が昇っちゃって。
 
つい激しく責め立てると、イツキの顔が険しく歪んでいった。
 
憎々しげ、とでもいうような、ギラつく瞳。
 
 
イツキのこんな顔――――今までなかった。
 
あたしの知ってるイツキじゃない。
 
あたしの知ってるイツキの姿は――
 
  
いつも仲間に囲まれて、楽しそうにケラケラ笑ってたり。
 
自信ありそげに悠然と構えてたり。
 
そして時たま、少し淋しそうに遠くを見てたりなんかもする。
 
ふざけてばっかで、真面目な話が嫌いで。
ちょっとひねくれた言い方をして、ニヤニヤ笑う。
 
こんなに感情的になったところなんて見たことなかった。
 
少なくともあたしの前で、見せてくれたことはなかった。
 
 
   
「最低? お前が人のコト言えたギリか? お前だって、その最低野郎の仲間だろうが」
 
  
 
え――
 
 
 
今の、本当にイツキから出た言葉?
 
 
 
「なに言ってんのイツキ……。あたしは最低な人と友達になった覚えはないよ」
 
 
目を見開いてイツキを見返す。
 
 
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