おいしいチェリーのいただきかた☆
 
しばらくすると「セイッ!」とか野太い声が聞こえてきた。
 
中で何をやってんのかもんのすごく気になる。
 
ううっ。覗いてみたい。
 
覗いたら怒られるかな?
 
入り口にそーっと近付き、引き戸を少しずつ開けれないかと指をかける。
 
 
「あれ? そこで何してるの?」
「わきゃぁっ!!」
 
 
ビックリした。
 
突然後ろから声をかけられて、妙な悲鳴をあげてしまった。心臓が口から飛び出るかと思った。
 
振り返るとそこにいたのは、ジャージを着た女の先生で、ポカーンとした顔であたしを見てる。
 
見たことのある先生だけど、直接教えてもらったことないから名前を思い出せない。
 
「す、すみませんっ! ちょっと覗いてみたかっただけなんですっ!」
 
「覗いて……? もしかして入部希望?」
 
「ち、違いますっ! あ、いえ、えーとっ。希望ってゆーか、まだそこまでは決めてないんですけど、ちょっと気になってて」
 
言いながら、そういえば堂々と入れる方法あるじゃん! と考えた。
 
「ああ、なるほど……。見学したいのね?」
 
「そうそう! それです! ちょっとでいいんで見学させてください!」
 
「いいわよ。私はここの顧問なの。どうぞ中に入って」
 
女の先生はにっこり笑って、あたしを中に招き入れてくれた。ヤッタネ!
 
 
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