おいしいチェリーのいただきかた☆
中は完全な道場で、緑の畳が敷き詰められていた。
畳の上では掛け声と共に拳を正面に突き出す部員達の姿が。
いたっ! 小宮だ!
目当ての姿はここでもやっぱり列の最後尾にいた。
後ろ姿だけど、体つきでなんとなく分かる。
一生懸命、細い腕を振ってる。
道場にあがって、隅っこに座らせてもらった。
ここからなら、小宮を横から眺めることができる。
あたしの姿に気付くかな~? と思ったけど、全然気付いてなさげ。小宮はメガネを取ってしまってた。
真剣に拳を突き出す小宮。額にはびっしり汗の玉。
メガネを取った端正な素顔の小宮が妙に凛々しくて、この道場で一番輝いて見えた。
「突きやめっ! そこまでっ!」