おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「うん……黙っててごめんね。ちょっと恥ずかしくて……。まだ全然形になってないし」
 
恥ずかしそうに俯く小宮の表情を見るのも久しぶり。
 
 
あぁ~~いつもの小宮だぁ~~。
 
 
あの手を握りたい。肩をトン、ってぶつけたい。
 
もっと近くで顔を見たいよぉ~~っ。
 
いつもならそのくらいパパッとやっちゃうのに、今日はどうしたのあたしっ。
 
なんだか妙に気恥ずかしくって、思うように体が動かない。
 
触ろうとすると、さっきの真剣でカッコイイ小宮の顔が頭の中にちらついて、途端、手が止まってしまう。
 
 
ファイッオー! ファイッオー! 頑張れ比奈!
 
 
あの電信柱っ! あそこまで行ったら、がばっと小宮に抱きつこう!
 
これは女慣れしなきゃいけない小宮のためでもあるんだから、うん!
 
そしてあわよくばチュッ、な~んてしちゃったりして、できればその先も――
 
 
 
 
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