おいしいチェリーのいただきかた☆
「ってイケナイ女教師かあたしわぁ~~~!」
「ひ、比奈さん!? いきなりどうしたのっ。そんなに頭ぶつけたら出血しちゃうよっ」
突然電信柱に突進して頭をゴンゴンしだすあたしに、びっくりして小宮が言った。
「ごめん……なんかどこぞのエッチビデオみたいな桃色課外授業が頭を流れて……」
「また僕に見せようとエッチビデオとか漁ってたの……? トラウマになりそうだからもう遠慮したいんだけど……」
以前、エッチ雑誌を無理矢理見せた時に高熱出して寝込んだ小宮は、少し嫌そうに表情を落ち込ませた。
「え、えへへへ。今度はもうちょっとソフトなの借りてくるから……って、それはいいんだけど、小宮、なんでいきなり空手始めたの?」
そうそう。一番訊きたかったことを、忘れずに訊いておかなきゃ。
あたしはじんじんするおでこもそのままに、電信柱から小宮の方に振り返って訊いた。
「え……それは……」
言いにくそうに視線を逸らす小宮。
やっぱり後ろめたい理由があるんだろうか。
イツキをボコにしたいとか。むしろボコにされそうで、恥ずかしくて言えないとか。