おいしいチェリーのいただきかた☆
「えーと、その様子は僕が誰だか今気付いたってことなのかな?」
明らかにガッカリした顔で言う小宮君に、ゴマカシ笑いを向けた。
「アハハ、バレちゃった? まだクラスのコの名前、全部覚えてなくて。ごめーん」
「まぁ僕って地味だしね……でもこれで覚えてもらえたよね?」
うん、と頷くと、小宮君の顔は少し嬉しそうになった。
そうそう。クラスに必ず一人はいる冴えない優等生風の男子。
下の名前は思い出せないけど、確か成績も良くて大人しい模範生だって誰かが言ってた小宮君だ。
え? もしかしてこの小宮君があたしに告白?
全くタイプが違うイメージなんだけど。
むしろ風紀の話で注意とかされそうな予感。
でもそんな話で屋上には呼び出さないだろうし……。