おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「ひ……久しぶりだねイツキ」
 
 
とりあえずアイサツから。うん、まずはそこから。徐々に核心に近付いていくんだ。
 
 
「おう、久しぶりだな。こないだは悪かったな、比奈」
 
って思った先から直球キター!
  
でも謝ってくれてる!?
 
「あ、あたしは別に……」
 
「ちょっと色々あってイライラしてたんだよ、俺」
 
イツキは肩をすくめ、自嘲気味に言った。
 
「色々……? だからって、どうして小宮を」
 
「最近、比奈がかまってくれなかったろ? 一緒に遊べばイライラも吹っ飛ばせたのにさ。それがアイツのせいかと思って、つい、手が出ちまった。ホントに悪かったよ」
 
驚いたことに、ぺこりと頭を下げてくれる。
 
そうだったんだ。イライラしてたんだ、イツキ。
 
嫌なことでもあったのかな。
 
なのにあたしは、イツキの気持ちも考えず、誘いを断ってばっかりで……。
 
「あたしこそ、ごめんね、イツキ。イツキが悩んでたなんてちっとも気付いてあげれなかった。あたしでよければ何でも話を聞くからさ。うん、今度、またみんなでパァ~ッと遊ぼ!」
 
そうだよね。イツキは大事な友達だもん。
 
たまには小宮とのデートはやめて、みんなと遊びに行かないとね!
 
 
 
「比奈さん」
 
  
その時、横から小宮の声がした。
 
振り向くと小宮が立っている。
 
多分、掃除から帰ってきたとこだ。これから部活に向かうんだろう。メガネはコンタクトに変わってる。
 
 
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