おいしいチェリーのいただきかた☆
 
 
ブーッ ブーッ
 
 
 
 
その時、スカートのポケットが震えて、慌てて中の携帯を取り出した。
 
メールだ。ウィンドウを流れる送信者の名前はママ。
 
となると内容は店のことに違いない。急いで開いてメールを確認。
 
 
「――あちゃっ」
  
 
案の定の内容に顔をしかめるあたし。
 
「どうしたの? 比奈さん」
 
気にして声をかけてくる小宮に、参りましたとばかりに手を広げてみせた。
 
 
「うちの店の人が、風邪でお休みするって。ただでさえ今、ヒト足りてないから、今日は臨時休業にするしかないかなって、ママが。金曜日は稼ぎ時なのになぁ~……」
 
ため息を吐きつつ答える。
 
小宮は心配げな眼差しであたしを見て言った。
 
「そっか……大変だね。僕に手伝えることがあればいいんだけど……」
 
 
ん?
 
 
あれ? それってなかなか良くない?
 
 
 
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