おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「で、あたしに話ってなにかな? 言っとくけど『付き合ってください』とかだったらお断りしちゃうよ、あたし」 
 
 
 
長々と告白されるのも面倒なので、先にバシッと言っておく。
 
一瞬小宮君の顔がひきつった。  
  
ん。やっぱ図星かな?
 
じっと返答を待ってると、小宮君の目があたしから逸らされ宙を泳ぎだした。
 
なんて言おうか考えてる様子。
 
 
 
「そういう話ならこれでもう終わりだよね? じゃ、あたし帰るね」 
 
手を振って、くるっと体を反転させる。
 
「あっ! ちがっ、違うよ浜路さん!」
 
背後で叫ばれて「ん?」と振り返った。
 
また小宮君の方に顔を向ける。
 
 
続く言葉を少し待ってみることにして、その体勢のままじっと彼を見る。
 
小宮君は恥ずかしそうに目を伏せながらしばらくもじもじしてたけど、なんとかあたしが欠伸を出す前に話し始めてくれた。
 
 
 
「あ、あの。ひかれるかもしれないけど、実は僕……」
 
段々小さくなる声でボソボソと言う小宮君。
 
「うん。実は僕?」
 
訊き返すあたし。
 
 
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