おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「頑張ってくれてるわ、彼。いいコ連れてきてくれて、ありがとね、比奈」
 
 
キッチンに顔を出しにきたママに言われて、嬉しくてにんまり顔が戻らなくなった。
 
「高校生じゃなかったら正式に雇いたいところよ」
 
小宮がうちの店の正式なスタッフ!?
 
うわ~~。いいなぁそれ。毎日一緒に働ける!
 
ポ~ッとなってたら、ビールの泡がジョッキから溢れてた。
 
 
「あわわわ!」
 
 
「なにやってるの比奈……。彼の働きはともかく、彼がいるとあなたが落ち着かないんじゃ、意味ないわよ」
 
「ごめんママ~」
 
布巾でグラスを拭きながらしょんぼりうなだれる。
 
「ふふ……でも、彼がここで働くのは心配よね。女性陣がほっとかないものね」
 
「え? ほっとかないってなんで?」
 
キョトン、と顔を上げる。
 
「あら? 気付いてないの比奈? うちのコ達の顔。みんなチラチラ小宮君を見てるわよ」
 
「えっ!」
  
 
な、ななな、なんですとぉ~~~~っ!?
 
 
 
 
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