おいしいチェリーのいただきかた☆
 
 
「……でね、ぬいぐるみが破けちゃってね。自分で直そうと思って、裁縫道具を探してコッソリ店をうろついたの。そしたらキャストのおねーさんに見つかってね。あ、キャストってキャバ嬢のことなんだけど。で、怒られるー! って思ったら、休憩室に連れてってくれて。ぬいぐるみ直してくれてさ」
 
 
 
小宮にこの店での思い出話を語って聞かせる。
 
小宮は楽しそうに聞いてくれる。
 
なんだか少しくすぐったい。
 
優しい時間。
 
 
子供の頃の自分が、すぐそこで飛び跳ねてる気がした。
 
 
店の人曰く、いつも元気だったあたし。
 
ケラケラよく笑って、店で過ごすのが楽しそうだったとか。
 
言われてみれば、この店での思い出は、どれも楽しい笑いに溢れてる。
 
それは、店の人がみんないい人達ばかりだったからだ。
 
 
 
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