おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「僕は……比奈さんの気持ちが分かる、なんて偉そうなことは言えない。僕には父さんも母さんも、兄弟もいるから……でも。比奈さんがいつも笑顔の理由はなんとなく分かる。人の温もりを欲しがる理由も……」
 
 
真摯に見つめてくる小宮。瞳の光は何かに似てる。
 
 
「比奈さんは我慢しすぎだよ。もっと泣いて、正直に言ってもいいと思うんだ。お母さんに言えない時は友達にでも。……僕にでも。僕でよければ、どこからでも駆けつけるから……、だから」
 
 
そっと肩に置かれる手。
 
 
 
「……淋しい時は、淋しいって言って欲しいんだ」
 
 
 
 
―― ここにおいで。淋しかったらここにおいで ――
  
 
 
あれは――ネオンの光。
 
 
 
 
 
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