おいしいチェリーのいただきかた☆
 
バタンッ! 
 
  
その時、扉が勢いよく開かれた。
 
 
いっ。
 
 
 
「小宮くぅ~~んっ!」
 
 
甘ったるい声と共にノックもなしに部屋に入って来る乱入者達。
 
空気は一瞬にしてぶっちぎられ、あたしはぎくっと固まった。
 
なっ、なんつータイミング。いきなり失礼すぎない?
 
でもって言いかけてた小宮の慌てぶりときたら。凄い反応。
 
  
「は、はいぃっ!」
 
 
瞬間跳ね上がり、あたしからバッと50センチほど飛びのく。
 
わざとらしくマグカップを手に取り、引き攣った愛想笑いを乱入者に向ける。
 
その身の素早さに唖然となった。
 
 
やるな小宮! 部活で鍛えた甲斐があったね!
 
これもひとつの成長ってやつかしらん。
 
 
「ようやくお仕事終わったよぉ~。もうクタクタ~~。あたしにもコーヒー淹れてくれるぅ?」
 
「あたしも~」
 
「あたしはミルク入りね~」
 
 
「はい、ただいまお淹れします!」
 
 
 
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