おいしいチェリーのいただきかた☆
「いえ、僕はあの……」
「帰る方向が全然違うでしょっ」
「いいじゃんいいじゃん。一緒に帰ろぉ~」
「あたしはウチまで送って欲しいな!」
「ダメ! あたしと帰るんだよね? 小宮くーん♪」
なんでやねん!
ジトッと三人の魔女を睨んでみる。
だけどあたしなんかチラとも見やしない。
完全にスルー。
どうしてくれよう。殴ってもいい?
拳を震わせるあたしをよそに、調子に乗りまくる魔女三人。
あたしが止めるタイミングを見計らってる間にも行為はどんどんエスカレートしていって、
「ア・アカリさんっ。コーヒーこぼれますからっ。よ、寄りかからないでくださいっ」
「だって疲れちゃってぇ~。肩貸してよ小宮クン」
「アカリ、独り占めはズルイよ! 小宮クン、疲れたっしょ? マッサージでもどう?」
「マッサージならあたしの方がうまいよ! 足やったげる!」
「ちょっ、あ・あんまり触らないで、うわっ!」
もみくちゃにされる小宮。やりすぎだよみんな。
あたしはひくつく頬を抑えながら微かに震える声で、
「み、みんな、そのくらいにしなよっ。小宮は女の人苦手なんだからっ」
なんてトゲトゲしく注意してみたけど、一向に収まる気配なし。
とうとう小宮は魔女三人に抱きつかれて、
「や、やめっ、ご・ごめんなさい。僕、ほ・本当に女の人苦手なんです! も・もうキツイんでってうわぁぁ!! どっ、どこ触ってるんですかぁ~~っ!!」
さすがに限界超えたらしく久々のパニック状態に。