おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「アカリさんっ。ミチルさんっ。ケイコさんっ」
 
ひくひく。カップからコーヒーがこぼれる。
 
みんな気安く触りすぎじゃない? こ、小宮の保護者としては見過ごせない状態なんですケド。
 
 
「やだもぉ~ウブなんだからっ。か~わいぃ~~っ!」
 
「小宮クン、あたしが初体験させたげる!」
 
「あっ、ぬけがけっ! あたしにしなよっ! サービスしたげるから!」
 
 
くぉらぁぁぁっ! 
 
悪ノリしすぎだよっ! いい加減にしてみんなっ!
 
 
小宮の初体験の相手はあたしなのっ! 小宮はあたしのなのっ!
 
 
って叫びだしそうになるのを、だけど何かが押し留めた。
 
 
どこか冷静な部分があたしの口を封じてしまう。
 
 
……確かに、初体験の相手はあたしがするって約束したけど。
 
 
――もし、小宮が他のコとしたいって言ったら。 
 
 
 
止める権利は、あたしには――ない……よね。
 
 
 
 
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