おいしいチェリーのいただきかた☆
 
さて。なんで今日はこんなに気合入れてキャラチェンジしたかというと。
 
 
もちろん、小宮のお初をいただくためだ。
 
 
フェロモンぷんぷん、色香ムンムンじゃあ逆に男は引いてしまうものらしい。
 
ただでさえ女の子が苦手な小宮。そんな攻撃的な迫り方では逃げる一方だと悟ったのだ、あたしは。
 
小宮みたいな男子はむしろ清純でほっとけないカンジの女の子で惹きつけ、保護欲をくすぐる。
 
小宮にも一応あるだろう保護欲により、警戒心は解ける。
 
そして警戒心が解けたところを一気に……!
 
 
「あっ! 比奈さん、危ないっ!」
 
 
ゲインッ
 
 
イ、イタタタ……。
 
街灯にモロぶつかっちゃった。
 
 
「大丈夫?」
 
心配そうにあたしを覗き込む小宮。半分涙目で笑顔を作り、その顔を見上げる。
 
ちょっとはにかみ気味に、
 
「えへっ。ボーッとしちゃった」
 
と言うと、また小宮の顔は赤くなり、あたしの手をぎゅっと握り締めた。
 
「危ないから、ちゃんと僕の傍についてて」
 
 
小宮ぁぁぁぁぁっっ!!
 
 
そんな頼もしいセリフが小宮の口から聞けるなんて……っ!
 
本に書いてある通りすぎて一抹の虚しさを感じなくもないけど、大いなる進展だよ小宮っ!
 
抱きつきたい衝動を抑えてコクンと頷くあたし。
 
その後もあの手この手で小宮を惑わし、しばらく小宮のナイトぶりを堪能したのだった。
 
 
 
 
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