おいしいチェリーのいただきかた☆
 
 
「――え?」
 
 
なに?
 
ポカンと小宮の顔を見上げる。
 
視界に飛び込んできた瞳は、真剣そのものであたしを見つめてる。
 
 
「君が好きなんだ! ずっと好きだったんだ! あんなの咄嗟に出た口実で、僕はただ、君の傍にいれたら……君の笑顔が近くで見れたらいいな、って――――本当に、それだけだったんだ!」
 
 
 
何を言ってるのかよく分からない。
 
頭が真っ白で言葉が出てこない。
 
 
「ごめん。まるで体目当てみたいなコト言っちゃって……ずっと後悔してた……。女の子に触ることもできないくせに、比奈さんを嘘で振り回して……何度ももうやめようって思ったんだ。謝って、比奈さんの前から消えようって」
  
辛そうに目を伏せる小宮。
 
「だけど、どうしても勇気が出せなくて――――こんな繋がりでもなくしたくなかった。君の傍にいたかったんだ!」
  
 
また真摯な瞳を向けられ、あたしはびくっと肩を震わせた。
 
 
えっと。何を言ってるのかな、小宮は。
 
 
あたしの傍にいたかったって。あたしを好きって――
 
 
スキってつまりキライの反対で、小宮があたしをスキってことは――
 
 
スキってことは? 小宮が? あたしを?
 
 
スキって。え。え。え。
 
 
 
 
えええええええええええっ!?
 
 
 
 
 
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