おいしいチェリーのいただきかた☆
「こ、小宮が、あたしをスキ? ドッキリじゃなくて? ホントに? あたしを、すき、すきって」
隙をつくとか鋤で突付くとか。そういうのじゃないよね、うん。
あははは。スキってどう書くんだったっけ。
てゆーかコンランしてる、あたし?
「ご、ごめんっ。突然変なこと言って! よ、要は謝りたかっただけで。告白とか、そんな場面じゃないよね!」
言い切った後に恥ずかしくなってきたのか、カーッと赤くなる小宮。
えっと。今どんな場面なんだっけ?
さっきまでナニ話してたんだっけ?
あたし、泣いてたんだじゃなかったっけ?
「こ、こんなこと、いきなり言われても迷惑だよねっ。だからどうしたって感じだよねっ! ごめん、比奈さん。告白は忘れていいから! 比奈さんが特定の人と付き合う気はないって知ってるから僕っ!」
勢いよく立ち上がってあたしから離れていく体。
あは。あははは。どっかで聞いたようなセリフじゃない、それ?
またおんなじテンパり方してるよ小宮。あはは。
「ホントにごめんね!」
バタバタと服を掴んで走り去ってく音がする。背後でドアが閉まる。
追いかけたいけど、体が動かなかった。
完全に力が抜けちゃって、ぺたんと座り込んだままボーッと宙を見つめてた。