おいしいチェリーのいただきかた☆
なんか、あたしの手が淋しいことになってない?
ここは固い握手が交わされる場面だと思ってたんだけど……。
小宮からの握手はなかなか返ってこなかった。
奇妙な空白が流れる。
不審に思って小宮の顔を覗きこむと、小宮の視線はじっとあたしの手に注がれていた。
口元をひくっと引き攣らせて固まってる。
突付いてみようかな、と思った矢先、ハッとした顔になって口を開いた。
「あ……ご、ごめん。僕、今、手が汚れてて……えっと……そ、そう! さっき転んで変なモノが手に付いちゃったんだ。だから、握手は遠慮しとくよ」
そっか。手が汚れてるんなら仕方ないよね。
「変なモノって?」
「え!? えーっと…………納豆」
それって道端に落ちてるもんなの?