おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「うーん、それは確かに。でも友達として映画に誘うくらいはできるんじゃん?」
 
「そんなのつまんない。あたしはエッチがしたいんだもん!」
 
「あんたは体から入りすぎ。だから今まで好きな人できなかったんっしょ?」
 
「そんなコトないよ。好きだから一緒に寝たいんじゃん。エッチは基本でしょ?」
 
 
「バカ」
 
 
ポカッと叩かれる。イタッ。なにすんの麻美。
 
 
「あんたは体に心がついてってないんだよ。好きって気持ちはそんなに軽いもんじゃないよ。ずっと一緒の夜を過ごしたいって思える相手は今までいた?」
 
 
え? どうゆうことだろ?
 
 
痛む頭をすりすりしながらちょっと思い出してみる。
 
 
うーん……。
 
 
「……いなかった……かも」
 
 
よく考えなくても、あたしは誰か一人に執着するってことはない。
 
だって毎晩添い寝に付き合わせるのも悪いと思ったし、その人が忙しい時は他の人と過ごすしかないわけで。
 
暖めてくれるなら誰でもいいのがあたしなのだ。
 
 
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