おいしいチェリーのいただきかた☆
  
微妙に納得がいかないけど、ともかく握手はやめにして手をひっこめる。
 
まぁ、多分、拒否られたワケじゃない……と思っとこう。
 
そんなあたしの様子に小宮は慌てて姿勢を正した。
 
フォローのつもりなのか一生懸命謝ってくる。
 
「ごめんねっ。あ、あのっ。でも浜路さんが引き受けてくれて、すごく嬉しいよ! 本当に、どうもありがとう。これからよろしく、浜路さん」
 
 
ふぅ、とため息を落とすあたし。 
 
 
カタイなぁ~もうっ。
 
これからエッチしようって仲なのに。
 
 
恐縮しながら言う小宮にピッと一本指を突きつけた。
 
 
  
「比奈、って呼んでよ。友達に浜路さん、なんて呼ばれたくないよあたし?」
 
 
チッチッチッと指を振って『ノンノン』のポーズ。
 
小宮の頬がポッと赤くなった。
 
 
 
 
  
「ひ……比奈………………さん」
 
 
うーん。要するに照れ屋さんだね、キミは。
 
『さん』付けは気になるけど、ま、いっか。
 
それ以上深くは追及しないことにして、にこっと承諾の笑みを返す。
 
つられて小宮もにこっと笑った。

微妙に引き攣り笑い。
なんだか可愛い。
 
 
 
  
  
気が弱そうなところが難点だけど、顔も悪くないし、たまにはこういうタイプもいいかもしれない。
 
意外とエッチも上手いかもしんないし。
 
なんといっても笑えるし!
 
 
 
吹き抜ける風も少し和らいで、心地良い気分になってくる。
   
 
なんとなく楽しくなりそうな――そんな予感がした。
 
 
 
 
 
 
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