おいしいチェリーのいただきかた☆
「小宮君、真面目で純だもんね。やっぱ鮎川さんみたいなコが似合うよ」
あたしの心を写し取ったかのような会話。耳を塞ぎたくなって顔を背けた。
立ち去ろうと足を動かす。だけどその次の言葉に、ピタリと足が止まる。
「――どこかの誰かさんみたいな尻軽女とは違ってね」
えっ――
尻軽女って……もしかして……。
「ああ、いたね~。小宮君に纏わりついて、色目使ってるや~らしい女。誰とでも寝るって噂のコでしょ? 水商売もしてるって聞いたことあるよ」
「てゆーか家がキャバクラなんだって。だからそういうの平気でできるんじゃない?」
あたしのことだ。このコ達、あたしのこと知っててあたしの前で――
キッと睨むと、その女子達はくすくすと悪意に満ちた目で笑った。