おいしいチェリーのいただきかた☆
「よく恥ずかしげもなく学校に来れるよね。周囲の目って気にならないのかな?」
「どうでもいいんじゃない? 影で遊び人って言われようが売女って言われようが」
「なっ――」
体が震える。すっと血の気が引いた。
あたしってそんな風に言われてたの?
「あんな汚れもん、する気もおきないって言ってたよ、みんな」
「そう? でも見た目はまぁまぁだし、誘えばホイホイついてきてお手軽だから、一回くらいはヤってもいいって人もいたよ?」
「ぷっ。そういう男にしか相手にされてないんだ。ランクひく~っ」
胸がぎゅっと絞られたみたいに苦しくなった。
明らかに因縁つけられてる、あたし。
無視――しようと思ったけど、気付けば一歩踏み出していた。負けたくない。
「い、言いたいことあるなら、あたしに正々堂々と言いなよっ。聞こえるように陰口叩くのって、陰湿じゃない?」
なんとか絞りだして言ってみた。けど強張り気味の声はいかにも虚勢を張ってる風で頼りない。
足もみっともなく震えてる。あたし――ダメだ。ブルっちゃってる。
だって――――勝てるわけがない。
彼女達が言ってることは、本当のことなんだ。