おいしいチェリーのいただきかた☆
「比奈さん……」
「あたしと小宮じゃ世界が違うっしょ? あたしみたいな遊び人とはもう縁を切って、小宮は小宮の道を行きなよ。――小宮はまだ、キレイなんだからさ」
目を見開く小宮。
「比奈さん、それって……。誰かに何か言われたの?」
「やっぱり知ってたんだね小宮。あたしの噂」
……これで納得できた。これまで小宮が取ってきた行動の数々。
その途端、何かが堰を切って溢れ出した。
「もう……いいから。もう、庇ってくれなくていいからっ」
声が震えながら大きくなる。ダメだ。我慢できない――
「もう、優しくしてくれなくていいから! あたしに近付かないでっ! あたしなんて――」
「比奈さ」
「あたしなんて……そんな価値のある女じゃないんだからっ!!」
とうとう言ってしまった叫びは、空気を引き裂いた。