おいしいチェリーのいただきかた☆
 
 
「――そんな、こと」
 
「同情してくれなくていいから! だって本当のコトじゃん! あたしは、誰とでも寝るの!」
 
近寄ろうとする小宮を全身で拒否する。
 
 
「だから、いいの! 小宮の優しさなんて欲しくないから! 優しく抱いてくれる人なんていっぱいいるしっ! 小宮の他にも、いっぱいいるんだからっ!!」
 
叫ぶと同時に背を向けた。
 
 
「待って比奈さん!」  
 
「さよなら小宮っ!!」
 
 
これで終わりだ。決定的だ。あたしが一方的に幕を引いたんだ。
 
 
もう小宮の顔は見れない。笑うことなんてできない。
 
小宮の制止も聞かずに、ひたすら校門へ続く道を走って逃げた。
 
 
 
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