おいしいチェリーのいただきかた☆
カルピスをグッとあおって飲み干す。むせて数回咳をした。
イツキが笑いながら背中を叩いてくれる。
その手はあったかいけど……。
なんだろう。何かが物足りない。
優しさは嬉しいけど違う。あたしが欲しい温度じゃない。
「どうした? またしけたツラになってるぞ」
「え? そ、そんことないよ!」
イツキに指摘されてギクッと振り返る。
いつのまにか横に立たれてて心臓が軽く跳ねた。
顔を耳元に寄せてくるイツキ。
動揺する心を抑えて言葉を待ってみれば。
「そろそろ行くか?」
甘さを含んだ声が囁きかけてきた。
「行くって……どこに?」
「ホテルに決まってるだろ」
どくん、と視界が揺れた。