おいしいチェリーのいただきかた☆
 
「イツキ……。待って」
 
 
歓楽街の雑踏の中、とうとうあたしの足は止まった。
 
  
「どうした比奈?」
 
訝しげに振り返ってあたしを見るイツキ。
  
目が少し苛立ってる。
 
 
「ごめん。やっぱり今日は気が乗らない……。エッチはまた今度にしよ?」
 
イツキをまともに見れなくて、視線を僅かに逸らしながら言った。
 
「気が乗らない? 落ち込んでる時こそセックスだろ? ずっとそうだったじゃねぇか」
 
「うん……そうなんだけど、今日はしたくないみたい……。他のコトして遊ぼ?」
 
曖昧な笑みを浮かべながらあたしは一歩下がった。
 
でもイツキに手を引かれ、前につんのめる。
 
 
「ダメだ。今日は絶対するぞ」
 
 
肩を掴まれた。
 
 
イツキの声が低い。指が、肩に食い込んでる。
 
思わず身がすくんだ。
 
 
 
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