おいしいチェリーのいただきかた☆
手放したくないサクランボ
「小宮! どうしてここに!?」
イツキの手が離れた隙に素早く距離を取るあたし。
その前に、体勢を整えた小宮があたしを庇うように立った。
やや息切れしてるのは、渾身のタックルをかましたからなんだろう。
「ごめん比奈さん。ずっと後をつけてたんだ。様子がおかしかったし、心配で……」
イツキを警戒し、顔は正面に向けたまま答える小宮。
「別に、比奈さんがよければ邪魔するつもりはなかったんだ。でも比奈さんが嫌がったから……」
あんな一方的にキレて、別れを突きつけたあたしを心配してついてきてくれたんだ。
しかも助けてくれるなんて……。
胸がじぃんと熱くなる。そんな場合でもないのにピンクのふわふわがあたしを包む。
やっぱり好き。小宮が好き。