おいしいチェリーのいただきかた☆
「ちっ。ナイト気取りかよ優等生」
一度地面についた膝をゆっくり起こしながらイツキが吐き捨てる。
「比奈を助けにきたってか? こんな汚れモンの貞操、今更守ってやったって仕方ないだろうによ」
耳に痛いセリフがあたしの胸を突いた。
イツキまであたしのことそんな風に思ってたんだ。汚れモン……そうだよね。
あたしなんか小宮に守ってもらう資格――
「やめろっ!」
その時、小宮の体が弾かれたように跳んだ。
暴力なんて全く無縁だった小宮の細い腕が振り上げられる。
でもその拳はイツキの手の平にアッサリ止められ、
「甘いぜひょろメガネ!」
ドカッ
お腹を蹴り返され、後ろによろめく小宮。倒れそうになる肩をあたしが駆け寄って抱きとめる。
「無茶しなくていいよ小宮! あたしのことなんて――」
顔を覗き込んで言うと。
「比奈さんは汚れてなんかない」
細い肩を支えるあたしの手に、小宮の手が重なった。