おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「もぉ~っ。ちゃんとあたしの目を見て!」
 
ホント、すぐ目を逸らそうとする。困ったヤツ。
 
「ごめん。でも恥ずかしくて……」
 
「その恥ずかしいってのがイイんじゃない! 気持ちが盛り上がってくるでしょ~?」
 
じっと小宮の顔を見る。
 
もう真っ赤すぎてトマト状態だ。
 
しつこく見つめてると、やや顔を背けながらも、目はちらちらとあたしを見始めた。
 
数回視線があうと、あたしも体の奥がじんと熱くなってくる。
 
そうそうコレコレ。
 
盛り上がってきた証拠。こうしてるとキスしたくなるんだよね。
 
そろそろ目を閉じてみようかな~と思った時。
 
 
 
「あっ! 雨降ってきたよ!」
 
小宮が叫ぶと同時にポツッと冷たい物が鼻にかかった。
 
 
「ひゃっ!」
 
雨だ。確かに雨だ。
 
お昼はいい天気だったのに、いつのまにか空は曇ってる。
 
 
 
「やだっ。早くどっか入ろ~~」
 
 
 
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