おいしいチェリーのいただきかた☆
「小宮……えーと、なんて言ったらいいのかな」
笑いそうにひくつく頬を抑えて、あたしは小宮から顔を逸らした。
「とりあえずTシャツだけでも、と思ったんだけど……」
理容室のシンボルマークみたいなTシャツの上に、チェック地のシャツを着た小宮がしょんぼりした顔で呟く。
そう、美容院でなく理容室とかの入り口に立ってるアレ。
赤・白・青の斜めストライプ。
「派手な方がお洒落なのかな、と思って……」
「派手な服は上級者向けだよ。ストライプの上にチェックなんてあり得ないよ! 目がチカチカするじゃん!」
「ごめん。また失敗しちゃったね、僕……」
はい、大失敗です。
大失敗なんだけど、可笑しくて仕方ない。
真面目に落ち込む小宮を見てると、恰好が恰好なだけに……。
ダメだ。可笑しすぎて涙まで出てきた。
「と、とにかく、今日は服、見に行こうよ。どんなのがいいか、選んであげるからさ」
震える声で言うと、小宮が更に真剣になった顔を上げて、あたしを真っ直ぐに見つめた。
「うん! よろしくお願いします!」
思いっきりかしこまった口調でピシッと姿勢を正す。
拍子にまたメガネがずりっ。