おいしいチェリーのいただきかた☆
「いっただっきま~す♪」
あたしは枝の先のよく熟れた赤い粒をパクッと口に含んだ。
ああ、サクランボの味~~っ。
「美味しい~っ!」
あまりの美味しさに蕩けるほっぺを手で包み込む。
これ、缶詰のやつじゃなくて、ちゃんと旬のサクランボだ!
甘酸っぱさが口いっぱいに広がって、ふわふわ空を飛んでるみたいな幸せ心地。
全身を駆け抜けるあま~い痺れ。
や~っぱサクランボは最高~~♪
これ食べると、春だなぁ~って気分になるんだよね。
思わずにへらっとしちゃう。
あぁ~一度でいいから桜の木一本分食べ尽くしてみたい~~。
ふと気が付くと、小宮が顔を上げて、あたしに微笑みを向けていた。
メガネの奥の優しい瞳――