おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「大丈夫だって! 最初はみんな緊張するんだよ。失敗したって気にしない気にしない!」
 
そう――
 
この時はまだ、小宮のガチガチが、初体験への緊張から来ると思ってた。
 
失敗したらどうしようとか、意識しすぎて固くなってるのかと。
 
だからリラックスさせてから勢いにまかせて一気にやっちゃえばいい――
 
そう思ってた。
 
 
    
だけど、コトはそう簡単ではなかったみたいで。
  
 
  
 
「ホラ、今日は仏滅だし。こういうのは大安吉日を選んで」
 
「どこの結婚式だっ! そんな大袈裟なものじゃないでしょっ!?」
 
「あっ! そ・そういえば僕、下着が昨日のままだったような」
 
「どうせシャワー浴びるんだから関係ないですっ!」
 
「お、お祖父ちゃんの、ゆ、遺言で、はは・初体験は満月の日にって」
 
 
 
「そんな遺言あるかぁぁぁ――っ!!」
 
 
  
 
思わずべしーんと頭を引っぱたいてしまった。
 
 
 
 
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