おいしいチェリーのいただきかた☆
「えっ! 違うよ! そんなことないよっ!」
俯いてた顔をこっちに向ける小宮。
真剣に否定してくれてる。
でもあたしの視界は潤んでた。
「小宮とのデート楽しかったし、エッチもすごく楽しみだったんだよ……?」
うん、楽しかった。
小宮の素顔を見るのは、とても楽しかったし嬉しかった。
普段学校で優等生してる小宮が、あたしにははにかんでくれる。
真っ赤な顔して手を繋いでくれる。
エッチの時は、きっとすんごく気持ち良くなれる――
そう思ってた。
なのに、小宮はあたしとのエッチ、楽しみに思ってくれてないんだ。
涙が零れそうになった。
「ごめん! 僕から言い出したことなのに、比奈さんを傷つけちゃって……。本当にごめん!」
小宮はベンチから降りて地面に正座した。
手をついて平謝りしてくれる。でもそんなに謝ってもらっても、ちっとも気持ちは晴れないよ。
あたしとのエッチがイヤだって肯定されてるようで、むしろ胸が痛い。
見ていられなくて、小宮から目を逸らした。
謝罪を聞く気にもなれなくて、もう走って帰ろうかと思った時。
小宮の言葉が耳の奥に届いた。
「最初からちゃんと言えば良かったね。ごめん……。実は僕……女の子が苦手なんだ」